2016年。オウンドメディア戦国時代へ突入。
明けましておめでとう御座います。ついに2016年になりました。
ウェブマーケティングの視点から2015年を振り返ると、一言でいえば “メディアサイト揺籃期(ようらんき)” だったのかと思います。
黎明期だと “夜明け前” 的なニュアンスが強くなってしまうので、揺籃期と表現するぐらいが適切かなと僕は考えます。
僕自身がウェブマーケティングの世界に身を投じてからまだそこまで長くないので、経験を基にした視点から業界についてあれこれを語る事はできないですが、やはり自分が実際にウェブマーケティングの世界に身を置いて実感する事。実践を通じて体感する事。そして様々なお話を総合すると、揺籃期と考えるその感覚にズレはあまりないのかなと思います。
2016年、一体ウェブマーケティングの世界はどうなるのか?今年は申年という事もあり、干支と結び付けながら僕なりの考えを述べたいと思います。
Contents
オウンドメディアとは?
まずは簡単に前提知識からです。
オウンドメディアとは、一言でいれば自社メディアの事です。自社で運営するためリスクコントロールに優れ、資産として大きく積み重なります。
個人でビジネスをやられる場合でも、コツコツと一人で作業すれば立派な結果を残す事もできますし、外注ライターさんに依頼をして自分の時間を使わずともメディア構築をする事も可能ですし、自社で専任担当や専任部署を指定して運営する事も可能です。
全てがゼロの状態から取り組む場合、結果が出るまでには数週間から数ヶ月の時間が必要にはなりますが、ある程度規模が大きくなり、質も担保されていれば自動でアクセスを集める事もできるので、極めて資産性の高い手法です。これからインターネットを活用してビジネスを行うのであれば、オウンドメディアは欠かせない存在になると僕考えます。
トリプルメディアから考えるオウンドメディアの立ち位置
ウェブを活用するマーケティング手法には、大きく3つの戦略があると言われております。
1)ペイドメディア
2)アーンドメディア
3)オウンドメディア
上記3を総称して “トリプルメディア” と言われております。
1)ペイドメディア
ペイドメディアとは、一言でいえば広告です。例えばPPC広告やリスティング広告。テレビや新聞、雑誌やラジオなど、広告枠を購入し運営する事をペイドメディアと言います。
2)アーンドメディア
アーンドメディアとは、一言でいえばSNSです。広告費を使わず、口コミを起こすFacebookやTwitterなどの事を総称してアーンドメディアと言います。
3)オウンドメディア
オウンドメディアとは、先ほども言った通り自社保有のメディアの事です。特にウェブマーケティングの世界では、オウンドメディアと言えば自社サイトの事を差します。一度ある程度形にしてしまえばアクセスを半永久的に集め続ける事ができるので、広告費が年々高騰していく今現在、とても有効な手法であると言われております。
2015年をオウンドメディア揺籃期と定義する3つの理由
ここからは完全に僕の個人的な考えであり、数字的な根拠がある訳ではないので、一つ意見として読み流して頂ければと思います。
なぜならば先ほども言った通り、僕自身ウェブマーケティングの世界に実を置くようになってからまだ1年弱なので、オウンドメディアという単語自体にカラーバス効果が働いている可能性が大いに考えられるからです。
それを前提に結論から話を進めますと、やはり2015年はオウンドメディア揺籃期言うにふさわしかったのではないかと思う訳です。それには3つの理由があります。
理由1. コンテンツマーケティング
2015年、特に “コンテンツマーケティング”という言葉が強調されいたのではないかと思います。そして僕の検証結果からもそれを疑う事はありません。
しかし一方で、”コンテンツマーケティング=PV数を上げれば良い” といった間違った認識をされてる場合もあるのかなと感じる事もあり、重要なのはPV数よりそこからどれだけ自分のビジネスで結果を残す事ができるのか?しっかりとゴールを認識しながら作業を進める事が重要であると考えます。
理由2. ライティングパッケージ
2015年に新たに届いたモノ。それはクラウドソーシング提供者から発信されるオウンドメディア構築におけるライティングサービスパックの案内です。『メディア構築における記事外注は弊社にお任せ下さい!』という事です。
売れるコピー(コピーライティング)を書けるライターって本当にいないですし、記事外注サービスでも敏腕ライターに依頼すると1記事数千円がデフォルトですし、写真撮影や取材記事等をセットで依頼すると5万円を越えてくる場合もあります。
僕的にはそこまで払う価値は十二分にあると考えいるのですが、これを高いと感じるかどうかは本当にビジネスモデル次第です。企画者や運営責任者の手腕が問われます。これほどまでにライターに需要がるという事は、日々オウンドメディア的なメディアサイトが増えているという事でしょう。
理由3. SEO業者
業界一同が集結する『~EXPO』的なものはどの業界にもあるものです。よく東京ビックサイトで開催される展示会のようなモノです。
僕も昨年、マーケティングのEXPO的なものに初めて参加してみたのですが、やはりメインはメディアサイト構築の提案です。数年前まではバックリンク構築からのゴリゴリなSEOの提案がほとんどだという事で、時代に合わせて提案が変わるのも当然の事です。
未だに友人の店舗経営者の元には、
営業 『御社のホームページを上位表示させますよ!』
友人 『どうやって?』
営業 『当社は豊富なバックリンク群を所有しています!緻密に計算して○○のキーワードで上位表示させますよ!当社は△△のキーワードで1位を獲得した実績があります!』
友人 『・・・・・。』
こんな電話がかかってくる事もちょくちょくあるという事ですが、SEO業界全体としては、オウンドメディア作成(コンテンツマーケティング)の流れになっているという事です。
もちろん今でもリンクSEOは有効施策の一つで、1~2を争う重要項目であることには間違いありません。しかし、世界一の頭脳手段であるGoogleを相手に、小手先のテクニックで立ち向かおうとするその考え自体が甘いと言わざるを得ません。
これから更にGoogleの検索エンジンアルゴリズムは進化し、精度は上がるからです。
百歩譲って目先の稼ぎを考えるのであればともかく、生涯の資産となる自社サイト等でリンクSEOをこれから施すとなると、それは極めてリスクが高い戦術だと僕は考えます。
Googleも我々も目指す所は同じで、お客様の利便性です。今ではある程度も文字数で、しっかりと記事を書き切れば、そこそこのキーワードでも上位表示される事が十分に可能です。ちゃんとコンテンツの中身を評価してもらえる時代です。コツコツ記事を日々積み重ねる事が、成功の秘訣です。
2016年。オウンドメディア戦国時代。
コンテンツマーケティングの世界では、小が大を飲み込む事が可能です。なぜならば、資本に関わらず“コンテンツの質”のみが重要な要素だからです。
SEO業者がオウンドメディア推しだったり、クラウドソーシングでもオウンドメディア構築における記事外注パッケージを販売していたりと、このような流れから僕は2015年をオウンドメディア元年だと考えています。(それよりだいぶ以前より “コンテンツマーケティング” の重要性を説いてる人は多くいると思いますが、ビジネスで重要なのは1歩先を行く事でも2歩先を行く事でもなく、半歩先を行く事です。)
そしてオウンドメディア運営って設計段階から緻密な計算と予測をする事が重要なので、見切り発車で企画を進めてしまうと結構大変です。特に全くメディア作成未経験集団の中にメディア事業部を新設したり、まったく文章を書いた事のない社員にライターを任せたりすると、高確率で大きな壁にブチ当たります。抽象論になってしまいますが、メディア構築って結構、根気と情熱が必要だったりするので。
実際にオウンドメディア失敗例って結構見受けられて、『とりあえず記事投下すればPV数を稼げるだろ!』安易な考えで出発すると落とし所が分からず収益化できないなんて話も耳にします。(ゴールを設定していない時点で、完全に企画倒れな訳ですが。。。)
2016年もその動きなさらに加速して、オウンドメディアの乱立と淘汰が一層進むのではないかと僕は考えます。
オウンドメディア戦国時代を生き抜くたった一つのコツ
では一体、これからさらに競争が激しくなる “オウンドメディア運営” の世界において、どのように取り組めば結果を残す事ができるのでしょうか?答えは簡単です。
『価値(バリュー)提供に徹する。』
この一言に尽きます。
今ではある程度の文字数でしっかりと価値を詰め込めば、Googleはしっかりと価値を検索エンジン上で評価してくれます。これは僕自身が実践から感じる事です。
そして何より重要なのはそれが訪問者・お客様のためになるからです。それが一番のミッションでなければならないからです。
もちろん、SEOを考える上でやらなければならない事はあります。それは内部対策だったり外部対策と呼ばれているものです。(特に内部対策)しかし、それらは初期設定に設定する事でほとんどが完結するモノです。あとは日々の積み重ねだからです。
今は質の高い発信をしていればしっかりと評価される時代です。質の高さを追求する事が、オウンドメディア運営で結果を残すための秘訣です。
申年(干支)から考える2016年のオウンドメディア運営
Wikipediaによると猿年とは、
「申」は「呻」(しん:「うめく」の意味)で、果実が成熟して固まって行く状態を表しているとされる。後に、覚え易くするために動物の猿が割り当てられた。
他にも色々調べてみると、やはり『申』という文字には枝が伸びきり葉が繁り、果実が成熟するという意味がこめられており、これに猿が割り当てられたというのは偶然ではないと思います。
何が言いたいのかと言うと、まさに『オウンドメディアも2016年は干支(申年)を体現するのではないか?』そう思う訳です。
揺籃期から成熟期へ。
2015年は数多くのメディアサイトが立ち上がり、その全てが結果を残している訳ではありません。そして2016年は各市場のメディアも成熟し、淘汰が始まるでしょう。選ばれるモノと選ばれないモノ。ハッキリと白黒が分かれると思います。
では一体、どうすれば2016年にメディア運営で結果を残す事ができるのか?それが先ほど言ったお通り、
『価値(バリュー)提供に徹する。』
であると僕は考えます。
ビジネスとは価値と価値の交換です。その価値は、時にはお金や時間に姿を変える事もあるでしょう。2016年、オウンドメディア運営で結果を出すのであればとにかく価値提供に徹する。ビジネスの本質は、いつの時代も変わらないものです。